• 和全

このままでは書道って なくなってくんじゃないだろうか


書道展に来てみても、


「何が書いてあるか読めないし、

何がうまいのか下手なのかわからないし、

だからつまらない」


というご意見に触れて、

倒れそうなほど衝撃を受けた私


ショックでした。


正直、聞かなかったことにしたい。

わかってもらえる人にだけ分かってもらえればいいさ。

芸術ってそういうものじゃない。

そんな風に耳をふさぐことは簡単でした。


実際に、私は大学生の時そうしたと思います。


特別な文化なんだ。

評価してくれる人は評価されるのだからいいじゃないか。


そう思いました。


目指していたのは、いい「かすれ」の線でした。

いい線が書ければ、いい作品が作れれば

その先の未来は明るいと信じていたのです。


さらに私は、書道とは無関係の

出版社に入ってデザイナーになるという夢があったので、

その言葉を深く考えることをしませんでした。


書道は大学まで。

その先続けようと思っていませんでした。


そんな中、就職活動中に


「あなたはなぜ、現代において書道を習っているのですか?」


と、聞かれたことがありました。


現代において??


え、どういうこと?

私はうまく答えられませんでした。


それは、現代に書道はいらないと

言われているような気がしたのです。



さらに畳み掛けるように、デザイナーになるために

「photoshop」という

画像ソフトを知った時。


作品をデータにして取り込んでしまえば

一瞬で文字を消したり、付け足したり、

位置を変えられることに衝撃を受けました。


えー!!!!こんなに簡単に作品を作れるものが!



えー!!!


書道で、文字を間違えてしまったら書き直しです。

長くて細かい作品の最後の方の文字を間違えてしまった時の

ショックは、筆舌に尽くしがたいものがあります。

泣けますよ。本当に


さらに、いらない点がついてしまったら、

「表具」という作品を加工していく作業の中で

針でいらない点を抜き

抜いたところに、同じ紙を継ぎ足し

繊維を針でつなぐ作業をしていました。


死ぬほどめんどくさい。。。


だから、私たちは、誤字にかなり注意し

ひとつの点の位置に一喜一憂しました。


しかし、書いた文字をphotoshopに取り込んで

文字の位置や点をちょいちょい直した時に


私たちは、ものすごく時代錯誤なことを

していたように感じたのです。


現代はこのような便利なものがあるというのにー!!!

なーにをやっていたんでしょう?


手書きを素材として取り込んで、

後で加工すればいいじゃん。


最後まで仕上げる意味ってなんなんだろう?



現実に触れるにつれ、

書道との関わり方がわからなくなっていきました。

そして


このままでは書道って

なくなってくんじゃないだろうか


と、漠然と思いました。


書道を楽しむ人の分母が、

書道を習っている人だけだったら、

書道人口が減っていくにつれ、

必然的に需要は無くなっていくでしょう。


しかも、書道人口の高齢化は顕著です。


伝統文化として細々と残るのかもしれないけど、

授業で取り上げられることもなくなるし、

存在自体忘れ去られていくんじゃないだろうか?

と感じました。


そんなことを、思いながら、

私は、大学卒業後に筆を置き

出版社で働き出しました。


そこから何年も、ほとんど筆を握りませんでした。


でも、この大学卒業時に感じたモヤモヤは

ずっと引きずっていました。

イラスト書道家 和全

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